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在宅勤務の費用負担
1.在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ
国税庁は「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ」を公表しました。新型コロナウイルス感染症拡大により在宅勤務をせざるをえない会社や積極的にリモートワークを導入する会社にとっては、従業員の在宅費用をどのように負担するのか、負担する場合の経費性や損金性はどうなのかという点が課題となります。
例えば、従業員の在宅が長くなることによる水道光熱費、出社を制限されて使用することになったレンタルオフィス費等、在宅勤務やリモートワークは従業員の負担が増えることになります。
2.手当として支給するか、実費精算するか
例えば、毎月3日はレンタルオフィスを借りて仕事をする従業員を想定してみます。この3日分のレンタル代相当を「手当」として支給すると源泉徴収の対象となります。「給料手当」として会計処理され、源泉税を「預り金」に計上します。しかし、実費精算として領収書と同額を従業員に支払うと、それは給与ではなく、レンタルオフィス料として経費計上されます。源泉徴収の対象とはなりません。
3.按分する必要がある場合
個人部分と業務部分を明確に分けることが難しいものが、通信費や水道光熱費です。基本料金という固定部分があり、その上に従量制で課金されますので、業務部分だけを取り出すことは困難です。
そこで、次の計算式で算定した金額は源泉税対象の給与ではなく経費としてもよいとされています。ただし、手当として給与に加算して支給すると源泉税対象の給与となりますので、「経費精算」の形を取る必要があります。
⓵電話料金・通信費・Wi-Fi使用料
業務のために使用した基本使用料や通信料等
= 従業員が負担した1か月の基本使用料や通信料等 ×
その従業員の1か月の在宅勤務日数 / 該当月の日数×1/2
(注)電話利用明細によって業務部分が明確である場合は、それは計算式から除外します。
業務部分は経費精算の対象とします。
従業員本人が所有するスマートフォンの本体の購入代金や業務のために使用したと
認められないオプション代等を企業が負担した場合には、その負担した金額は従業員
に対する給与として源泉税課税の対象となります。
⓶電気料金
業務のために使用した基本料金や電気使用料
= 従業員が負担した1か月の基本料金や電気使用料 ×
業務のために 使用した部屋の床面積 × その従業員の1か月の在宅勤務日数
/ 該当月の日数 ×1/2
4.給与課税されないために
在宅勤務に伴う従業員負担分をどのように補償するかによって、給与になるのか経費になるのか大きく異なることになります。
今後も在宅勤務やリモートワーク導入が進むと思います。あらかじめ、会社の規則として決めておき、給与課税(源泉税対象)とならないような準備を必要としています。