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納税猶予について

1.はじめに
 新型コロナウイルス感染症拡大に伴って、昨年は既存の納税猶予制度とは別に期限付きで一定の条件の下、納税猶予が認められました。弊社のお客様のなかにも特例の納税猶予制度を利用して、とりあえず納税を最大1年間延期した方々がいます。
 しかし、その特例も今年2月1日に納期限が到来する税金を最後に打ち切られました。
 そして、延期した国税の納期限がこれから到来するわけですが、それとほぼ同時期に今期の決算に関する納税が生じます。したがって、猶予の分を合わせると2年分納税することとなるため、資金繰りが心配されるところです。
 今年も確定申告期限と納期限は1か月延長されましたが、特例の納税猶予は延長されていません。
 ただし、令和3年2月1日までに納期限が到来する国税で、その納期限までに申請書を提出できなかったことについて、やむを得ない理由があると認められるときは、納期限後でも申請できるとされています。この場合は、税務署に相談ということになります。

2.既存の納税猶予制度
 特例の納税猶予の道がない場合、検討したいのが既存の納税猶予制度です。
 国税庁のホームページでは以下の説明があります。

国税の猶予制度は、一時に納税をすることにより事業の継続や生活が困難となるときや、災害で財産を損失した場合などの特定の事情があるときは、税務署に申請することで、最大1年間、納税が猶予される制度です
 猶予制度には、⓵換価の猶予(国税徴収法第151条及び第151条の2)と⓶納税の猶予(国税通則法第46条)があります。
(注) 納税の方法は、猶予の種類により、⓵1年間据え置かれる場合、⓶猶予期間中に分割納付をする場合があります。分割納付をする場合は、納税者の資力に応じて対応します。
 
3. 換価の猶予
 換価の猶予とは、一定の要件を満たす場合に、原則として1年間納税が猶予され、延滞税率が軽減され、財産の差押えや換価が猶予されるものです。
 一定の要件とは、次の3要件です。
⓵国税を一時に納付することにより、事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがあると認められる
⓶納税について誠実な意思を有すると認められる
⓷猶予を受けようとする国税以外の国税の滞納がない

4.納税の猶予
 納税の猶予とは、以下のような個別事情がある場合に、原則として1年間納税が猶予され、延滞税率が軽減され、財産の差押えや換価が猶予されるものです。

⓵新型コロナウイルス感染症の患者が発生した施設で消毒作業が行われたことにより、備品や棚卸資産を廃棄した場合
⓶納税者ご本人又は生計を同じにするご家族が病気にかかった場合、国税を一時に納付できない額のうち医療費や治療等に付随する費用
⓷納税者の方が営む事業について、やむを得ず休廃業をした場合、国税を一時に納付できない額のうち、休廃業に関して生じた損失や費用に相当する金額
⓸納税者の方が営む事業について、利益の減少等により、著しい損失を受けた場合、国税を一時に納付できない額のうち、受けた損失額に相当する金額

5.資金繰り
 昨年、新型コロナウイルス感染症拡大に関連して受けた融資の返済猶予期間終了とともに、これから返済が始まります。その上に、納期限を延長した国税の納税と今期の納税があります。そのため、厳しい事業環境下においては、いつもに増して資金繰りに注意したいものです。

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