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インボイスについて誤解しやすい点(2)

適格請求書(インボイス)制度が、10月1日から始まり、特に顕著なお問い合わせは、返還インボイスに関することでした。
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会社が請求書を発行し、それに対する振込入金を受けた際に振込料相当額が差し引かれることがあります。あるいは、値引きや割引によって請求額を減額することがあります。これらは、消費税法では、「売上に係る対価の返還等」といいますが、これについてもインボイスを発行する必要があるのだろうかという問い合わせです。

回答としては、「原則、発行する必要がある」です。しかし、たとえば110円の振込料相当額の返還インボイスを発行する必要が本当にあるのだろうかという疑問もあります。すべての振込料相当額についてインボイスを発行するとなると、あまりにも事務が煩雑になります。

そこで、一定の要件の下に、その金額が税込1万円未満である場合には、「少額な返還インボイスの交付義務の免除」が適用されることとなっています。

しかし、振込料相当額をどのように経理処理するかによってインボイスを発行する必要があるため、要注意です。

1 「売上値引」として経理処理する場合
この場合は、返還インボイスを発行する必要がありますが、税込1万円未満であれば「少額な返還インボイスの交付義務の免除」が適用されてインボイスの発行は不要です。

2 「雑費」等として経理処理し、消費税法上は「課税仕入」として処理する場合
この場合は課税仕入として処理しているので、税込1万円未満であってもインボイスの発行を取引先や金融機関から求める必要があります。しかし、基準期間の課税売上高が1億円以下等であれば、2029年9月30日までの期限付きですが、税込1万円未満の課税仕入についてはインボイス不要です。

3 「雑費」等として経理処理し消費税法上は「売上値引」として処理する場合
上記2と同じに見えますが、消費税上は「売上対価の返還等」として処理することにより、インボイスの発行は不要となります。(消費税法上の処理は会計ソフトの課税コードについて「売上対価の返還等」を選択します)

以上のように、振込料相当額が引かれて入金される取引について、3通りの方法があり、結果的に間違いが起きやすい状態になっています。

そういうことも鑑みてだと思いますが、「お互い間違いやすいことはやめましょう」ということで、振込料は払う方が負担する方向で実務的に決着させる事例をよく見かけます。

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